前回ちょこっと触れた転落事故・・・・
剣大滝に入る為に準備した装備の重量が40Kg、相当余計なものも入っているが、
黒部ダムから十字峡までの行程を考え、4泊ということで大丈夫と判断していた、
下の廊下は岩壁の道幅が狭く、所々崩落による巻道もある危険なコース。イメージ 1

イメージ 4
東谷から白竜峡に至る部分で崩落があり、その上を超える部分で事故は起きた・・・

足元がグラッと来てずり落ち背中のザックが重く、抑えが効かなくなった状態に、
そのまま3回転して黒部川へ、2回転目で石にしがみつこうとしたが止められず・・・・
リユックサックの重みで引き剥がされた、再度岩を掴んだと上手く回転が止まった、
あと半回転していたらそのまま20mの崖を落ち、黒部川の藻屑となるところだった・・
落下中自分の半生は浮かばなかったが、何かに掴まらなくてはと必死の状態・・・・
イメージ 2
(その場で応急処置・・・下は私が滑り落ちた斜面、道は最上部の岩のあたり)
イメージ 3
頭にコブ3個、おでこにコブと裂傷、打撲傷と左手内側に5X3の傷が出来ていた、
応急処置を行い剱大滝探訪を続行、あの時岩にしがみつけなければ死だった。

翌日は雨のため剣大滝を諦めて停滞、傷の手当と鋭気を養ってアタックは成功、
無事に剣大滝に至ることができた、傷も手以外はほぼ下山時に改善していた・・・、
イメージ 5
死に直面し意識を失いかけると、人生が走馬灯のように思い出されるそうだが、
そこまで行かなかったのは誰かに守られていたのか、窮地じゃなかったか・・・・・
危険と隣り合わせの登山、本当の意味での山の怖さを知った転落事故でした。